かものめも

うのめたかのめ

免許更新、75歳以上向けの「高齢者講習」に行ってみた

はがきが来てから速攻で予約を取った

免許更新の前に受けておくべき、「高齢者講習」と「認知機能検査」のお知らせのハガキが来たのですぐに、まずは「認知機能検査」を受けました。

なぜ、そんなに急いだのか。

実は70歳での免許更新の際に、事前に受けておくべき「高齢者講習」のハガキが免許更新の数ヶ月前に来たのですが、「あ、免許更新自体は半年も先だなあ、じゃあそんなに急がなくていいかあ」と、のんびり構えすぎたため、2ヶ月前では危うく間に合わなくなりそうになって、大あわてした経験があったからです。

で、今回「認知機能検査」は無事合格して、証明書ももらったので、前回、70歳での免許更新の際に、「高齢者講習」を受けていた自動車教習所に、今回も申し込むことにしました。

他の自動車教習所では、あまり高齢者講習は歓迎されていないのか、電話で予定を聞いて予約する形式が多いのですが、ここはちゃんとネットで空き状況を見ることが出来て、そのままネット予約することが出来ます。

大体2週間先まで埋まっている状態でしたが、誕生日の4ヶ月も前の、余裕の日程で予約することが出来ました。

来たことあるのに、道に迷った

さて、予約した高齢者講習の当日、駅から5〜6分歩いたところで、自動車教習所の超大型の縦長の看板が出ていたので、ああ、ここだったかな〜、と、大看板の手前にあったビルのドアを開けようとしたら、なんと鍵がかかっているのです。

ん?と思いながら横を見ると、車が1台入れるくらいのスペースがあって、そこから入ってみると、住居用ポストがズラリと並んでいるのが見えました。

「む、ひょっとしてマンションか!」

で、歩道に戻って見上げて見ると確かに自動車教習所の超大型の看板がデーンとあります。

「おかしいなあ、、、むむ!ひょっとして?」と、さらに歩道を5〜6歩先まで歩いて行くと、ありました。ガラス張りで中まで見える広い校内ラウンジがありました。道がちょうどカーブしているところにあるので、見えなかったんですね。

「認知機能検査」は合格したのに

と言うか、私は5年前に、70歳の「高齢者講習」を受けに、ここに一回来ているのですが、場所がどこだったのか、すっかり、完璧に忘れています。今回の「認知機能検査」はすでに合格しているのですが、本当に私の「認知機能」は大丈夫なのでしょうか。

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受付で来意を告げると、待合コーナーに案内されます。講習開始時刻の30分前に集合です。先にいたのは2人だけ。座って待っていると、後からもう1人やって来ましたが、それにしても少ない。前回はもっといたような気がします。

集合時刻になるとスタッフの女性がトイレの場所など教えてくれます。講習が終わったあとでトイレに行きましたが、すごいモダンなトイレでした(前回は行っていない)。それから「ハガキ」と「免許証」と「認知機能検査結果」と「受講料(この教習所では6500円)」をトレイに入れると、スタッフの女性が回収します。精算はその場で終わりますが、免許証は預かられて、終了時に返却とのこと。

予約時刻の10時になると、会場まで案内されます。

受講者たったの4人

エレベーター内で、「今回はこんなに少ない人数なんですね」と発言する人がいて、私を含む3人とも「そうですよね、前回はもっといましたよね」「たまたまのタイミングなんですかね」という会話があったので、もしかして、75歳で免許更新する人は70歳で免許更新する人よりも、はるかに少ないのかもしれません。その間に免許返納する人が意外に多い、ということなのかも。

免許を更新する二つの理由

実は、かくいう私も、もう実際に運転する気はありません。71歳で車を手放しました。
それでも免許更新しようと思ったのは、まず身分証明書として手軽なこと。

マイナンバーカードも登録してありますが、身分証明だけなら運転免許証の方がお手軽な感じがします。

もう一つの理由は、万が一の場合、どんな状況か分かりませんが、どうしても運転しなければならない事態が生じた時に、持っていた方が良いかな、ということからです。

まあ、そんな事態では、免許のあるなしなど関係ないくらいの状況になるでしょうが。

さて講習教室は20人くらい入れそうな教室ですが、着席したのは、真ん中通路をはさんで前後2列2人ずつで4名だけで、スカスカです。

講習会は座学が1時間、実地が1時間です。

「座学」は、「視野角検査」と「動体視力検査」、「夜間視力検査」の三つの検査をする時間を含みますので、実際の講習としては、他の人が検査しているときに、ずっと上映されている資料ビデオを見て、ほんの一部を検査官の解説付きで、共に見るくらいです。

検査が終わったところで、検査官が4人分の紙コップに、冷たい水を入れて持って来てくれました。大サービスです。

2時限目の実地についての注意です。

検査官「コース内で運転しているのは、これから免許を取ろうと練習している人たちばかりなので、当然、免許は持っていません。全員無免許運転です。そんな危険なところに入って行くのですから、くれぐれも注意してください」

「一時停止の場所では、3秒、停止してください。中にはね、いるんですよ、実際にはトロトロ動いているのに、『今の一時停止、止まりましたか?』と聞くと、『止まりましたよ』とおっしゃる方が。ご自分ではブレーキ踏んで止まったつもりなんですね。なので3秒、完全に停止を心がけてください」

実際には10時50分には「座学」は終わって、休憩に入ります。

ここで、受講生のうちのお一人が、座学のみの受講、ということで、退席です。なんと、受講生は3人になってしまいました。

実地には11時になってから、検査官と3人の受講者の、みんなでコースに出ます。

1人目の運転・止まりましたよ?

検査官は車の助手席、最初に運転する受講者が運転席に座ります。私ともう1人は後席です。みんな後席には座り慣れていないので、シートベルトをするにも大騒ぎです。

構内コースは教習中の人たちの車やバイクばかりが走っているので「みんな無免許運転しています。気を付けてください」という検査官の、なるほどその通り、ごもっとも、な注意がありました。

このコースの最高速度は30kmだそうです。

まっすぐ外周を走ったり、交差点で曲がったり、信号で止まったり、一時停止で止まったり、普通に走ります。

この受講生の方は、一時停止の標識がある場所で、完全停止せず、トロトロと徐行して出てしまいました。

検査官「今、一時停止しました?」

講習生「止まりましたよ?」

検査官「そうですか、まあ、素晴らしい徐行でした」

「止まりましたよ?」これは、まさしく座学の時に「中にはこう言う人がいるんですよ」と言われていた通りの反応だったので、私は笑いをこらえるのに苦労しました。

70歳の時の実地のプログラムには「S字クランク」があったのですが、これは今回はありません。「バックで車庫入れからの方向転換」もありません。より容易なコース取りになっているようです。

最後に、大通りから普通のカクカクのクランクに入ったところで、「進行方向にある縁石に乗り上げてすぐに止まる」という動作をさせられます。

乗り上げてからすぐ止まり、バックで縁石から降りてすぐにまた、ブレーキを指示されます。

検査官「はい、これで終了です。運転を交代しましょう」

コース内の、クランクに入ったところ、という、あまりに中途半端な場所なので、「えっ!ここですか?」と、運転手もびっくりです。後席の私たちもびっくりです。

で、次の人と交代します。

2人目の運転・神技の乗り上げ

車の頭から突っ込んでいるクランクから抜け出すために、検査官がこう指示します。

「では、そのままバックしてください」

2人目の受講生は指示通りバックして、クランクの角を曲がれそうなところまで後退しましたが、検査官は

「はい、そのままどんどんバックしてください」

「はい?、えっ!も、もっとバックですか?」

受講生としては、いったんちょっとバックしてから、クランクの中に入って行くつもりだったのでしょう、ドギマギしていました。後席にいる私たちも意表を突かれました。

検査官「そうです。」

で、とうとう本コースの大通り道路に車の半分が出てしまうと、

検査官「そのままハンドルを右に切ってください」

「えっ!?」と言うと、受講生は止まってしまいました。当然ですね。私も一瞬、検査官の意図がわかりませんでした。

検査官「いいんです。頭を左に振りたいんです」

それでもよく分からないので、戸惑っていると、検査官は、

「向こうに行きたいんです。」と、大通りから左折でクランクに入る前に走って来ていた方向を指差します。

そこで、後席にいる私たち二人は、検査官の指差す方向が見えたので、検査官の意図が分かりました。

この時ちょうど車が全く来ていないタイミングだったので、今来た道を引き返そうという意図なんだな、という事が分かりましたが、運転席の受講生は検査官の指差しが見えなかったようで、まだ今ひとつピンと来てないようでした。

「はあ、」

検査官「右にハンドルを切れば、バックならお尻は右に行くでしょう?そうすれば、頭が左に向いて、あちらに行けるんです。」

で、講習生はようやく理解できたようで、その後はスムーズです。

検査官の方も、最初に「どうしたいからこうする」ということを言ってあげると、さらに親切だったかな、と、今思い出してみると、思います。

そして、同じようにコースの色々なところを走ります。

特筆すべきは、この人はクランクでの縁石乗り上げでは、みごと、縁石を完全に乗り越えてしまう寸前の、縁石そのものの上でピタリと止まるという神技だったので、拍手ものです。

最後は、やはり、教室の建物に近い、教習車の溜まっているところで停車して、ここで運転が終わった2人は車から降りるよう指示されます。車に残るのは検査官と私だけです。

検査官「お二人は教室でお待ちください」

3人目の運転・4年ぶりの左足プレーキ

私が3人目、つまり最後の運転手になったのですが、それは多分、私が事前のアンケートで「最後に運転したのは3年以上前」という項目にチェックマークを入れておいたので、私に少しでも長く乗ってもらって、車に乗っている感覚を取り戻してもらおうという心遣いなのかな、と思いました。

検査官「どのくらい前から乗っていないんですか?」

私「4年です」

検査官「ああ、じゃあ、まだ大丈夫ですね」

ということで走り出しました。

私は20年来、左足ブレーキで走っていたので、今回も左足ブレーキで運転したところ、久しぶりで緊張していたためか、慎重になりすぎて、思わず半ブレーキになっていたようでした。

検査官から「半ブレーキになってますね。赤ランプが点いたままだと後続車が混乱しますし、ブレーキの減りも早くなるので、ブレーキを踏まない時はブレーキから完全に足を離してくださいね」と言われてしまいました。

その後はスムーズで、前回、70歳の講習の実地では、私も一時停止の大きな大きな表示板を見落として教官ブレーキを踏まれたことがあったので、ことさらに気を付けて、今回は全ての場所で完全停止しました。

クランクでの縁石乗り上げ停止も問題なくできました。縁石を完全に乗り越えたので「神技」ではありませんでしたが。

私の場合は、バックで降りた縁石から、さらにちょっとバックしてから、クランクをそのままクネクネと通って行きました。

免許証、書類等返却

さて、実地の全てが終わったところで、「教室でお待ちください」と言うことで、私も教室に戻って待ちます。その間、先に戻っていたお二人は、免許更新と高齢者講習、認知機能検査の日程などについてお話し中でした。あとから検査官に直接聞いて納得されたようでした。

さて、しばらくたつと、検査官が、各自の免許証、証明書などを持って来てくれます。

「証明書は折らない方が良いですね」とおっしゃるので、事前に受けた「認知機能検査」の時の検査官の「折って良いですよ」という言葉と食い違うわけですが、まあ、折らない方が無難でしょうね。

試験管「これで終了です。一応ご紹介しますが、運転免許を返納すると、運転経歴証明書をもらえます。が、当然、これでは運転できません。
大きな声では言えませんが、自動車教習所としては、皆さんにまた、高齢者講習を受けに来ていただいた方が、お金をいただけるのでありがたい。92歳で更新なさる方もいらっしゃいます。大きな声では言えませんが、また3年後、お会いしましょう。ありがとうございました」

全員「あははは、ありがとうございました」

で、めでたくお開きとなりました。

あとは、免許更新センターに行って免許更新の本番となります。

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今回のお話

今回は、75歳での「高齢者講習」に行った、実際の様子のレポートをお話しました。

そのうち、全自動運転の車が出来れば、私も車に乗るかもしれませんが、それまでの間は、自分で運転はしないでおこうと思います。

なお、免許更新の本番のハガキは、誕生日の1ヶ月前のさらに4日前に届きました。早めに「認知機能検査」と「高齢者講習」をクリアしておいたので、余裕で更新に行くことが出来ます。何事も早め早めが無難ですね。